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日本橋ヨヲコ『バシズム』まるでそれは未精製の結晶

日本橋ヨヲコ『バシズム』

初めて日本橋ヨヲコの作品を読んだのは、ヤングマガジン本誌に載っている『ノイズ・キャンセラー』だった。

当時中3かそこらへんだった。

 

正直、「何か気に食わないマンガだ」って思ってた。

 

自分の顔面にコンプレックスを持ってる男子がキレイな女子のことを好きになるんだけど、コンプレックスゆえ、心の中で色々思ってるだけなんだけど、ある日その女子から心に深く入ってく言葉を言われるの。

 

その男子が醜いのは絵という記号としてだけで、現実にいたら多分そこまで酷くないしその辺にいるふつうの男子なんだろうなって思った。

 

当時のわたしは非常にくすぶっていた。

世界一大切にしてもらいたい存在の人は、わたしが世界一醜いと思っている存在を大切にして、わたしには別に教わらなくとも自然にどうにかなるでしょっていう女性としての常識みたいなことを口うるさく言ってくるだけだった。

 

ゴミムシ以下だと思ってた存在よりも大切にされないわたしはこの世に存在してる意味とか無いでしょって思ってた。でもどこかで希望は捨てきれないので、いつか全然違う世界に行ってやるって思ってた。

 

 

作中の、記号としてだけ醜い男子が自分の容姿に悩んでて、最後には憧れのうつくしい人から、それまでの世界をぶっ壊されるようなことを言われて、世界が変わったことにものすごい嫉妬をしてたんだと思う。

 

あとは、醜さを無理矢理演出してない?とか思ってた気がする。

 

時は流れて…

その後、家族がヤンマガを買わなくなったのでその後、日本橋ヨヲコの作品に触れることはなくなって、その作品のことはすっかり忘れていた。

 

高校を卒業して数年後、マンガの話が合うから話してると何か楽しいなって思ってた男の子から何冊かマンガを借りた時に、「ノイズ・キャンセラー」をふたたび読んだ。

 

あっあの時のやつだ!ってすぐにわかった。

 

でも、気にくわないとかイライラとかそういう感情は湧いてこなかった。

 

わたしの中の毒気と作品の毒気が反応してたのだろうか。

今となってはよくわからないけれど、日本橋ヨヲコの作品はいつ、どんな時に読んでも、感情が刺激される。

 

デビュー作ふくむ短編を集めた単行本『バシズム』は未精製の塩とか砂糖みたいだ。口の中にダイレクトに味がくる。えぐみや雑味もダイレクト。

 

でも、何だかそれが良かったりする。

 

 

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◆この記事は水野アキが書いてます
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