ウォンバットのうきうきくらし手帖

好きなことを好きなだけ

Sponsored LINK

『勝手にBOOK FEST 2015』~なぜ道満晴明の作品はこんなにもわたしに刺さるのか



こんにちわ。水野アキです。

ハナさん (id:lactiflora_in43) 主催の『勝手にBOOK FEST 2015』、本日で最後です。

ぎりぎりになってしまいましたが、参加させていただこうと思います。

『勝手にBOOK FEST 2015』~なぜ道満晴明の作品はこんなにもわたしに刺さるのか

道満晴明とは?

日本の漫画家です。

新声社から発行されていた漫画雑誌『コミックゲーメスト』や、同社のアンソロジー4コマ漫画本などで多数の作品を発表し名を知られる。初期の頃からずっと成年漫画雑誌に作品を発表し続けているが、独特の無機的な画風もあいまってか成年漫画でありながら性表現は極めて淡白な上、風刺の効いたギャグを織り交ぜた作風も一般的な成年漫画の枠から大きく逸脱している。話は短編を主体としており、超常的な設定や童話的な世界を用いつつ、虚無感や悲哀を漂わせる寓話めいたものを得意とする。

(Wikipediaより引用)

アンソロジー4コマ漫画本とは、多数の作者が1つのゲームや漫画などを題材にして4コマ漫画を描いたものを1冊にまとめてある本です。

アラサー以上の人には「ドラクエ4コマ劇場の題材がドラクエ以外になったもの」で通じるかと思います。

 

アンソロジーコミックス以降の活躍の場は成年漫画雑誌

成年漫画雑誌とは、18歳未満が読んではいけない漫画が載ってる雑誌です。

平たく言えば性描写のある漫画です。

道満晴明の作品は成年漫画雑誌の中でも特異な存在でした。絵があっさりしているのはその人の絵柄だとしても、描写がやけにあっさりしていたり、描写そのものよりもストーリーの方が目立っていることがありました。

成年雑誌で活躍されていた頃の作品で手に入るであろう作品は以下の5冊です。

  • 性本能と水爆戦(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス) - 2001年7月1日初版
  • 続・性本能と水爆戦(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス) - 2005年9月1日初版
  • 最後の性本能と水爆戦(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス) - 2008年12月30日初版
  • 性本能と水爆戦 征服(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス) - 2009年3月31日初版(性本能と水爆戦+続・性本能と水爆戦+一部描きおろし)
  • よりぬき水爆さん(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス) - 2010年8月31日初版(過去作の選集)

上記の作品の中でわたしが大好きなもの 

映画好きの方はコミックスのタイトルで気付かれたかもしれません。一連のタイトルはおそらく「性本能と原爆戦」からきているのではないかと思います。
 
ドーマンさんの作品は短編が多く、ページ数はだいたい4ページくらいです。
私が上記の作品の中で最も好きな話は『最後の性本能と水爆戦』に収録されている「シリアルナンバーNo.001」という作品です。

シリアルナンバーNo.001のあらすじ

とある同人誌即売会で本を売る漫画家の男のもとに、男のファンを名乗る少女が現れる。

少女は先生の大ファンで単行本も同人誌もすべて持っているし、雑誌も切り抜きしている。よければ握手してください、と言われ立ち上がると少女はおもむろに注射器を取り出し、男を刺す。

首筋を狙ったつもりが右目を刺してしまったので、これからは先生の目になりますからと男を拉致監禁しつつ言う少女。

バストが小さい女性が好みなんですよね、私一か月で24kg落としました、と言う少女。先生は女性経験が無いから私が先生の一号ですよね、という少女に対して恐怖のピークに達した男は持っていたデザインナイフで少女の左目を刺し、命からがら逃げだす。

後日、漫画家仲間にこんなことがあったんだよ、無我夢中で逃げたけどあの後彼女どうなったんだろう、とつぶやく男。

漫画家仲間のモノローグ

「そう 少し寂しそうにつぶやく姿が僕が見た最後の彼でした

 行方不明の彼がどうなったか僕の知る由もありません

 ですが 僕は何故か無性に彼が妬ましくて仕方がないのです」

 

簡単に言うとヤンデレのおはなしです、が

ただのヤンデレの話といえばそれまでですが、上記のあらすじが4ページに収められていて、ある人の立場で見ればアンハッピーエンド、ある人の立場で見ればハッピーエンドなストーリー、右目を失った男の目になると言った少女が奪われた目は左目である点が見えていないその後を想像させる点、物語全体に流れるどことなくファンタジーな雰囲気、どこを取っても大好きです。

そしてこの雰囲気はドーマンさんしか作り出せないと思います。

 

そして、活躍の場は一般誌へ

2006年月刊ヤングチャンピオン烈にて『ヴォイニッチホテル』を連載開始、2010年月刊少年IKKIにて『ニッケルオデオン』を連載開始。

どちらも連載終了しています。

ヴォイニッチホテル 

ふしぎなホテルを舞台に島に伝わる3人の魔女の伝説、殺し屋、少年探偵団など様々な人物が織りなすおはなしです。

こちらは短編ではなくストーリーものです。全3巻。ファンタジー&ヴァイオレンス(たまに)&ラブストーリー。ストーリーは続いているけれど、1つ1つの話の主人公がわりと違っていてオムにパスのような感じです。

 

ニッケルオデオン 

短編です。こちらも全3巻。

20世紀はじめの頃にアメリカで流行した小規模な映画館の名前がニッケルオデオンというのですがここから取っているのでしょうか。

1話完結のストーリーが収録されています。それぞれのおはなしにそれぞれの世界観があります。すこし不思議な話が多めかも。

全3巻。

 

一般誌でも道満晴明は道満晴明だった

成年向けの雑誌から活躍の場をうつしても独特の世界観、雰囲気は変わりませんでした。

どこで連載しても変わらないしそれどころかどんどん洗練されていっている気がします。

道満晴明の作品は、以前書いた漫画ランキングにも載せてます。

おすすめ青年漫画ランキングベスト10!新旧あります - ウォンバットのうきうきくらし手帖

「その人しか描けない」と感じさせる作品が好き

あらすじや一コマだけ見て「やっぱこの人だなー」と思うようなものが好きです。

その人にしか描けない世界観・シチュエーションが自分の好みに合致した時、それは自分の一部となり好きという感情を超えた何かになります。

私は道満晴明の作品に対してそのような感じになっているのだと思います。

作品を読むごとに感じる、自分の中にもやもやと形が無く何となくあった感情にきちんと形が作られるような、読んでて「これだー!」って思うような何かが彼の作品にはあると私は感じています。 

道満晴明のコミックス最新情報 

G=ヒコロウ、雑君保プ、道満晴明の共作の同人誌がコミックスになりました。

三者三様の世界観、ストーリー展開は見ものです。おすすめ。  

追記

「シリアルナンバーNo.001」が収録されているコミックス『最後の性本能と水爆戦』が電子書籍化しました。

18歳未満購入禁止ではないですがちょっと工ロいです。気になった方、是非読んでみてください。 

 

-----

◆この記事は水野アキが書いてます